組織や社会において、構成員の多様性そのものに価値があるのか、あるいは画一的な方が良いのか。日本においては、近時議論されることが増えてきました。
というのも、国内において、圧倒的多数はが日本人で、かつ日本人として一定の共通の枠組み(生活習慣から、価値判断まで)を前提に育っているため、結果として画一的なルールに慣れ親しみ、合意形成のプロセスも、議論をするというよりは、各自が意見を言った後に、自然に流れができて結論に至るという形が多く、多様性が自然に生まれる環境にないという状況が続いてきたからではないかと思います。
画一的な組織では、議論も自然に収束する。どころか、議論無しの意思決定、例えば社長などの実権者の意思決定がそのまま組織決定になるという事が多くあり、速やかに効率よく物事を進めることができます。これをメリットと捉えれば、特に日本の組織は何もせずとも、画一的な効率の良い組織運営や社会ができあがり、特に課題や問題は無いと思います。
しかし、今その画一的な組織の在り方そのものが問われています。というのも、その効率の良いメリットのあるはずの組織から、先進的なアイデアが生まれない・育たないという課題が生じているからです。効率的なはずの画一的組織からは、その思考や動き方も一様になりがちで、そのことが死角を生み、既存の仕事における事故や失敗のリスクを高めている可能性が言われています。また、そもそも画一的な環境下では、新しい事を始める動機が抑圧されてしまいます。
これら多様性の議論には、失われた〇〇年など、日本国内の組織が抱える課題を解決するヒントが隠れているのかもしれません。これから、多様性のメリットについて、整理してまとめていきたいと思います。